染色像
グラム陽性球菌(Gram Positive Coccus)
グラム陽性球菌(Gram Positive Coccus)
染色の特徴
- 非常に小型のGram陽性球菌
- この画像では不明瞭だが,連鎖形成が見られていた.
抗菌薬
抗菌薬の待てる人:
ABPC
抗菌薬の待てない人:
MEPM OR VCM
ポイント
- 1980年以降遺伝子型分類により大きな分類学上のシフトが生じた菌種である.この技術の出現により,PeptostreptococcusからStaphylococcusやStreptococcusに分類し直されたグループもあるが,まぁ,とくに興味ないか.
- Peptostreptococcus microsはこの分類の結果,Peptococcus saccharolyticusと同菌種であることが判明.これを併合している.口腔内,上気道,腸管,膣内と体内に広く常在するが,Peptostreptococcus microsはとくに口腔内の歯肉周辺の常在菌であると考えられている.[1]
- ヒトへの病原性に関しては,嫌気性菌が原因となる感染のおよそ25~30%でPeptostreptococcus属が検出される.特に錠剤部位と関連して口腔内,女性器,軟部組織,膿瘍での検出が一般的である.特に本菌は歯内膿瘍などが象徴的といえる.[2]
- 本菌の病原因子に関しては検討が十分なされているとはいいがたい現状がある.中には膿瘍の形成菌である通性嫌気性菌と相乗効果的に病原性を増すという説も動物実験レベルでは提唱されているが,確証には至っていない.
- 菌血症も間々確認されるがGram陰性の嫌気性菌に比して病原性はひくく,IEの起因菌となりうるが,嫌気性であることも手伝ってその頻度は非常に低い.とされている.[1]
- 抗生剤は嫌気性菌の治療に使用出来るものはすべて使用可能であることが大半である.とくにMicrosはペニシリンすら感受性であることが多い.[1]
参考文献
- [1] Microbiol. Rev. January 1998 vol. 11 no. 1 81-120 1 January 1998
- [2] Bacteriology of dental abscesses of endodontic origin. J. Clin. Microbiol. 1983, 18:770–774.
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